今日の一句 #286

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    稽古屋の猫は扇子でたたかれる   若柳潮花

     

     

    ニャ〜ゴ。

    先日、ある川柳大会で「猫」の選者を務めて以来、

    つい猫の句に目がとまってしまう。

     

    今日は橘高薫風の『なにわ川柳 この一句』から引いた。

    本書、以前にもちょっとご紹介したが、

    名吟家にしてまこと目利きの薫風さんが

    近現代の川柳から秀句を選りすぐり、鑑賞を加えたアンソロジー。

    初版は1983年(昭和53)で、1999年(平成11)に再版されている。

     

    せっかくなので、薫風さんの鑑賞もまるごと引かせていただこう。

     

     踊りのお師匠はんの愛猫である。

     座布団の上で無精をきめこんでいたら、

     お稽古人に追われる羽目となる。

     舞扇でやられることもあろう。

     軽い調子の穿ちが利いて、踊りとは限らぬものの、

     稽古場の華やいだ雰囲気が伺えておもしろい。

     

    まさに。


    (『なにわ川柳 この一句』」橘高薫風 1983年)

     


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